余は要吉の言動を読んで要吉と共に陰鬱にはなる、けれども成程要吉とはこんな種類の人間であると、著者から教へられた事がない。
性格を上手にかく人は、これ程烈しい事件の下に主人公を置かないでも、淡々たる尋常の些事のうちに動かすべからざる其人の特色を発揮し得るものである。
以上は余が煤煙の前篇を読み直して得た感想である。
余は要吉の言動を読んで要吉と共に陰鬱にはなる、けれども成程要吉とはこんな種類の人間であると、著者から教へられた事がない。
性格を上手にかく人は、これ程烈しい事件の下に主人公を置かないでも、淡々たる尋常の些事のうちに動かすべからざる其人の特色を発揮し得るものである。
以上は余が煤煙の前篇を読み直して得た感想である。