広義に於ける理想を抱かざるものが、自己又は他人の経過した現実を顧みて、之を悲しむの必要もなければ之に悶ゆるの理由もない筈である。
一たび此論断を肯つたとき、彼等は彼等の主観のうちに、又彼等の理想のうちに、彼等の平素排斥しつゝあるが如く見ゆる諸の善、諸の美、又もろ/\の壮と烈との存在を肯はねばならぬ。
従つてヒロイツクは彼等の主張せんと欲して、現実に見出しがたきが為めに、これを描くを憚り、もしくは之を描くを恐るゝ一種の行為と云はねばならぬ。
広義に於ける理想を抱かざるものが、自己又は他人の経過した現実を顧みて、之を悲しむの必要もなければ之に悶ゆるの理由もない筈である。
一たび此論断を肯つたとき、彼等は彼等の主観のうちに、又彼等の理想のうちに、彼等の平素排斥しつゝあるが如く見ゆる諸の善、諸の美、又もろ/\の壮と烈との存在を肯はねばならぬ。
従つてヒロイツクは彼等の主張せんと欲して、現実に見出しがたきが為めに、これを描くを憚り、もしくは之を描くを恐るゝ一種の行為と云はねばならぬ。