自分にも重吉の用いたこのまだという字がいかにもおかしく思われた。
妻に、当人本気なのかなと言ったくらいである。
妻が評したごとく、こういうふうに、いつまでも、紙鳶が木の枝に引っかかって中途から揚がっているようなありさまでおしてゆかれては間へはいった自分たちの責任としても、しまいには放っておかれなくなるのは明らかだから、今度の旅行を幸い、帰りにHへ寄って、いわゆる「あのこと」をもっとはっきりかたづけてきたらよかろうという妻の意見に従うことにきめて家を出た。
自分にも重吉の用いたこのまだという字がいかにもおかしく思われた。
妻に、当人本気なのかなと言ったくらいである。
妻が評したごとく、こういうふうに、いつまでも、紙鳶が木の枝に引っかかって中途から揚がっているようなありさまでおしてゆかれては間へはいった自分たちの責任としても、しまいには放っておかれなくなるのは明らかだから、今度の旅行を幸い、帰りにHへ寄って、いわゆる「あのこと」をもっとはっきりかたづけてきたらよかろうという妻の意見に従うことにきめて家を出た。