食事が済んで下女が膳をさげたのは、もう九時近くであった。
それでも重吉はまだ顔を見せなかった。
自分はひとりで縁鼻へ座ぶとんを運んで、手摺りにもたれながら向こう座敷の明るい電気燈やはでな笑い声を湿っぽい空気の中から遠くうかがってつまらない心持ちをつまらないなりに引きずるような態度で、煙草ばかり吹かしていた。
食事が済んで下女が膳をさげたのは、もう九時近くであった。
それでも重吉はまだ顔を見せなかった。
自分はひとりで縁鼻へ座ぶとんを運んで、手摺りにもたれながら向こう座敷の明るい電気燈やはでな笑い声を湿っぽい空気の中から遠くうかがってつまらない心持ちをつまらないなりに引きずるような態度で、煙草ばかり吹かしていた。