いずれにしても母は容易に立たない。
一通り夫の身の上を祈ってしまうと、今度は細帯を解いて、背中の子を摺りおろすように、背中から前へ廻して、両手に抱きながら拝殿を上って行って、「好い子だから、少しの間、待っておいでよ」ときっと自分の頬を子供の頬へ擦りつける。
そうして細帯を長くして、子供を縛っておいて、その片端を拝殿の欄干に括りつける。
いずれにしても母は容易に立たない。
一通り夫の身の上を祈ってしまうと、今度は細帯を解いて、背中の子を摺りおろすように、背中から前へ廻して、両手に抱きながら拝殿を上って行って、「好い子だから、少しの間、待っておいでよ」ときっと自分の頬を子供の頬へ擦りつける。
そうして細帯を長くして、子供を縛っておいて、その片端を拝殿の欄干に括りつける。