しかし政法の二人は顔を見合わして笑いました、声は出しません。
そしてかごの上に結んである緋縮緬のくけ紐をひねくりながら、「こんな紐なぞつけて来るからなおいけない、露見のもとだ、何よりの証拠だ」と、法科の上田がその四角の顔をさらにもっともらしくして言いますと、鷹見が、
「しかし樋口には何よりこの紐がうれしいのだろう、かいでみたまえ、どんなにおいがするか」
しかし政法の二人は顔を見合わして笑いました、声は出しません。
そしてかごの上に結んである緋縮緬のくけ紐をひねくりながら、「こんな紐なぞつけて来るからなおいけない、露見のもとだ、何よりの証拠だ」と、法科の上田がその四角の顔をさらにもっともらしくして言いますと、鷹見が、
「しかし樋口には何よりこの紐がうれしいのだろう、かいでみたまえ、どんなにおいがするか」