かねて四郎と二人で用意しておいた――すなわち田溝で捕えておいたどじょうを鉤につけて、家を西へ出るとすぐある田のここかしこにまきました。
田はその昔、ある大名の下屋敷の池であったのを埋めたのでしょう、まわりは築山らしいのがいくつか凸起しているので、雁にはよき隠れ場であるので、そのころ毎晩のように一群れの雁がおりたものです。
恋しき父母兄弟に離れ、はるばると都に来て、燃ゆるがごとき功名の心にむちうち、学問する身にてありながら、私はまだ、ほんのこどもでしたから、こういういたずらも四郎と同じ心のおもしろさを持っていたのです。