「からす、からす」と叫びながら、あとも振りむかないで天主台を駆けおりて、たちまちその姿を隠してしまいました。
私はそのころ下宿屋住まいでしたが、なにぶん不自由で困りますからいろいろ人に頼んで、ついに田口という人の二階二間を借り、衣食いっさいのことを任すことにしました。
田口というは昔の家老職、城山の下に立派な屋敷を昔のままに構えて有福に暮らしていましたので、この二階を貸し、私を世話してくれたのは少なからぬ好意であったのです。
「からす、からす」と叫びながら、あとも振りむかないで天主台を駆けおりて、たちまちその姿を隠してしまいました。
私はそのころ下宿屋住まいでしたが、なにぶん不自由で困りますからいろいろ人に頼んで、ついに田口という人の二階二間を借り、衣食いっさいのことを任すことにしました。
田口というは昔の家老職、城山の下に立派な屋敷を昔のままに構えて有福に暮らしていましたので、この二階を貸し、私を世話してくれたのは少なからぬ好意であったのです。