また不完全ながらも心の調子が整うていればまだしもですが、さらにいびつになってできているのですから、様子がよほど変です、泣くも笑うも喜ぶも悲しむも、みな普通の人から見ると調子が狂っているのだからなお哀れです。
おしげはともかく、六蔵のほうは子供だけに無邪気なところがありますから、私は一倍哀れに感じ、人の力でできることならば、どうにかして少しでもその知能の働きを増してやりたいと思うようになりました。
すると田口の主人と話してから二週間もたった後のこと、夜の十時ごろでした、もう床につこうかと思っているところへ、