『イヤ其は誰だつて道具に由ります。
如何ら上手でも道具が惡いと十尾釣れるところは五尾も釣れません。
それから二人種々の談話をして居る中に懇意になり、ボズさんが遠慮なく言ふ處によると僕の發見た場所はボズさんのあじろの一で、足場はボズさんが作つた事、東京の客が連れて行けといふから一緒に出ると下手の癖に釣れないと怒つて直ぐ止す事、釣れないと言つて怒る奴が一番馬鹿だといふ事、温泉に來る東京の客には斯ういふ馬鹿が多い事、魚でも生命は惜いといふ事等であつた。
『イヤ其は誰だつて道具に由ります。
如何ら上手でも道具が惡いと十尾釣れるところは五尾も釣れません。
それから二人種々の談話をして居る中に懇意になり、ボズさんが遠慮なく言ふ處によると僕の發見た場所はボズさんのあじろの一で、足場はボズさんが作つた事、東京の客が連れて行けといふから一緒に出ると下手の癖に釣れないと怒つて直ぐ止す事、釣れないと言つて怒る奴が一番馬鹿だといふ事、温泉に來る東京の客には斯ういふ馬鹿が多い事、魚でも生命は惜いといふ事等であつた。