事實、此世に亡い人かも知れないが、僕の眼にはあり/\と見える、菅笠を冠つた老爺のボズさんが細雨の中に立て居る。
『病氣に良くない、』『雨が降りさうですから』など宿の者がとめるのも聞かず、僕は竿を持て出掛けた。
人家を離れて四五丁も泝ると既に路もなければ畑もない。
事實、此世に亡い人かも知れないが、僕の眼にはあり/\と見える、菅笠を冠つた老爺のボズさんが細雨の中に立て居る。
『病氣に良くない、』『雨が降りさうですから』など宿の者がとめるのも聞かず、僕は竿を持て出掛けた。
人家を離れて四五丁も泝ると既に路もなければ畑もない。