『その時は日がもうよほど傾いて肥後の平野を立てこめている霧靄が焦げて赤くなってちょうどそこに見える旧噴火口の断崖と同じような色に染まった。
円錐形にそびえて高く群峰を抜く九重嶺の裾野の高原数里の枯れ草が一面に夕陽を帯び、空気が水のように澄んでいるので人馬の行くのも見えそうである。
天地寥廓、しかも足もとではすさまじい響きをして白煙濛々と立ちのぼりまっすぐに空を衝き急に折れて高嶽を掠め天の一方に消えてしまう。
『その時は日がもうよほど傾いて肥後の平野を立てこめている霧靄が焦げて赤くなってちょうどそこに見える旧噴火口の断崖と同じような色に染まった。
円錐形にそびえて高く群峰を抜く九重嶺の裾野の高原数里の枯れ草が一面に夕陽を帯び、空気が水のように澄んでいるので人馬の行くのも見えそうである。
天地寥廓、しかも足もとではすさまじい響きをして白煙濛々と立ちのぼりまっすぐに空を衝き急に折れて高嶽を掠め天の一方に消えてしまう。