婆さんの淀みなき口上が電話口で横浜の人の挨拶を聞くように聞える。
宜しければ上りましょうと婆さんがいう。
余はすでに倫敦の塵と音を遥かの下界に残して五重の塔の天辺に独坐するような気分がしているのに耳の元で「上りましょう」という催促を受けたから、まだ上があるのかなと不思議に思った。
婆さんの淀みなき口上が電話口で横浜の人の挨拶を聞くように聞える。
宜しければ上りましょうと婆さんがいう。
余はすでに倫敦の塵と音を遥かの下界に残して五重の塔の天辺に独坐するような気分がしているのに耳の元で「上りましょう」という催促を受けたから、まだ上があるのかなと不思議に思った。