天井は低く畳は黒く、窓は西に一間の中窓がある計り東のは真実の呼吸ぬかしという丈けで、室のうち何処となく陰鬱で不潔で、とても人の住むべき処でない。
簿記函と書た長方形の箱が鼠入らずの代をしている、其上に二合入の醤油徳利と石油の鑵とが置てあって、箱の前には小さな塗膳があって其上に茶椀小皿などが三ツ四ツ伏せて有る其横に煤ぼった凉炉が有って凸凹した湯鑵がかけてある。
凉炉と膳との蔭に土鍋が置いて有て共に飯匕が添えて有るのを見れば其処らに飯桶の見えぬのも道理である。
天井は低く畳は黒く、窓は西に一間の中窓がある計り東のは真実の呼吸ぬかしという丈けで、室のうち何処となく陰鬱で不潔で、とても人の住むべき処でない。
簿記函と書た長方形の箱が鼠入らずの代をしている、其上に二合入の醤油徳利と石油の鑵とが置てあって、箱の前には小さな塗膳があって其上に茶椀小皿などが三ツ四ツ伏せて有る其横に煤ぼった凉炉が有って凸凹した湯鑵がかけてある。
凉炉と膳との蔭に土鍋が置いて有て共に飯匕が添えて有るのを見れば其処らに飯桶の見えぬのも道理である。