されどたれあってこの老人を気に留める者もなく、老人もまた人が通ろうと犬が過ぎ行こうと一切おかまいなし、悠々行路の人、縁なくんば眼前千里、ただ静かな穏やかな青空がいつもいつも平等におおうているばかりである。
右の手を左の袂に入れてゴソゴソやっていたが、やがて「朝日」を一本取り出して口にくわえた。
今度はマッチを出したが箱が半ばこわれて中身はわずかに五六本しかない。
されどたれあってこの老人を気に留める者もなく、老人もまた人が通ろうと犬が過ぎ行こうと一切おかまいなし、悠々行路の人、縁なくんば眼前千里、ただ静かな穏やかな青空がいつもいつも平等におおうているばかりである。
右の手を左の袂に入れてゴソゴソやっていたが、やがて「朝日」を一本取り出して口にくわえた。
今度はマッチを出したが箱が半ばこわれて中身はわずかに五六本しかない。