ものいわず、歌わず、笑わずして年月を送るうちにはいかなる人も世より忘れらるるものとみえたり。
源叔父の舟こぐことは昔に変わらねど、浦人らは源叔父の舟に乗りながら源叔父の世にあることを忘れしようになりぬ。
かく語る我身すらおりおり源叔父がかの丸き眼をなかば閉じ櫓担いて帰りくるを見る時、源叔父はまだ生きてあるよなど思うことあり。
ものいわず、歌わず、笑わずして年月を送るうちにはいかなる人も世より忘れらるるものとみえたり。
源叔父の舟こぐことは昔に変わらねど、浦人らは源叔父の舟に乗りながら源叔父の世にあることを忘れしようになりぬ。
かく語る我身すらおりおり源叔父がかの丸き眼をなかば閉じ櫓担いて帰りくるを見る時、源叔父はまだ生きてあるよなど思うことあり。