紀州が小橋をかなたに渡りてより間もなく広辻に来かかりてあたりを見廻すものあり。
手には小さき舷燈提げたり。
舷燈の光射す口をかなたこなたと転らすごとに、薄く積みし雪の上を末広がりし火影走りて雪は美しく閃めき、辻を囲める家々の暗き軒下を丸き火影飛びぬ。
紀州が小橋をかなたに渡りてより間もなく広辻に来かかりてあたりを見廻すものあり。
手には小さき舷燈提げたり。
舷燈の光射す口をかなたこなたと転らすごとに、薄く積みし雪の上を末広がりし火影走りて雪は美しく閃めき、辻を囲める家々の暗き軒下を丸き火影飛びぬ。