翁は狼狽てて懐中よりまっち取りだし、一摺りすれば一間のうちにわかに明くなりつ、人らしきもの見えず、しばししてまた暗し。
陰森の気床下より起こりて翁が懐に入りぬ。
手早く豆洋燈に火を移しあたりを見廻わすまなざし鈍く、耳そばだてて「我子よ」と呼びし声嗄れて呼吸も迫りぬと覚し。
翁は狼狽てて懐中よりまっち取りだし、一摺りすれば一間のうちにわかに明くなりつ、人らしきもの見えず、しばししてまた暗し。
陰森の気床下より起こりて翁が懐に入りぬ。
手早く豆洋燈に火を移しあたりを見廻わすまなざし鈍く、耳そばだてて「我子よ」と呼びし声嗄れて呼吸も迫りぬと覚し。