みちみち源叔父は、わが帰りの遅かりしゆえ淋しさに堪えざりしか、夕餉は戸棚に調えおきしものをなどいいいい行けり。
紀州は一言もいわず、生憎に嘆息もらすは翁なり。
家に帰るや、炉に火を盛に燃きてそのわきに紀州を坐らせ、戸棚より膳取り出だして自身は食らわず紀州にのみたべさす。
みちみち源叔父は、わが帰りの遅かりしゆえ淋しさに堪えざりしか、夕餉は戸棚に調えおきしものをなどいいいい行けり。
紀州は一言もいわず、生憎に嘆息もらすは翁なり。
家に帰るや、炉に火を盛に燃きてそのわきに紀州を坐らせ、戸棚より膳取り出だして自身は食らわず紀州にのみたべさす。