「朝に道を聞かば夕に死すとも可なりというのと僕の願とは大に意義を異にしているけれど、その心持は同じです。
僕はこの願が叶わん位なら今から百年生きていても何の益にも立ない、一向うれしくない、寧ろ苦しゅう思います。
「全世界の人悉くこの願を有ていないでも宜しい、僕独りこの願を追います、僕がこの願を追うたが為めにその為めに強盗罪を犯すに至ても僕は悔いない、殺人、放火、何でも関いません、もし鬼ありて僕に保証するに、爾の妻を与えよ我これを姦せん爾の子を与えよ我これを喰わん然らば我は爾に爾の願を叶わしめんと言えば僕は雀躍して妻あらば妻、子あらば子を鬼に与えます」