僕もそのつもりで正作に離別を告げた。
明治二十七年の春、桂は計画どおりに上京し、東京から二三度手紙を寄こしたけれど、いつも無事を知らすばかりでべつに着京後の様子を告げない。
また故郷の者誰もどうして正作が暮らしているか知らない、父母すら知らない、ただ何人も疑がわないことが一つあった。
僕もそのつもりで正作に離別を告げた。
明治二十七年の春、桂は計画どおりに上京し、東京から二三度手紙を寄こしたけれど、いつも無事を知らすばかりでべつに着京後の様子を告げない。
また故郷の者誰もどうして正作が暮らしているか知らない、父母すら知らない、ただ何人も疑がわないことが一つあった。