「も一ツ」と今度は徳二郎が注でやつたのを女は又もや一呼吸に飮み干して月に向て酒氣を吻と吐いた。
「サアそれで可い、これから私が歌つて聞かせる。
「イヽエ徳さん、私は思切つて泣きたい、此處なら誰も見て居ないし聞えもしないから泣かして下さいな、思ひ切つて泣かして下さいな。
「も一ツ」と今度は徳二郎が注でやつたのを女は又もや一呼吸に飮み干して月に向て酒氣を吻と吐いた。
「サアそれで可い、これから私が歌つて聞かせる。
「イヽエ徳さん、私は思切つて泣きたい、此處なら誰も見て居ないし聞えもしないから泣かして下さいな、思ひ切つて泣かして下さいな。