爾来、四年、大友の恋の傷は癒え、恋人の姿は彼の心から消え去せて了ったけれども、お正には如何かして今一度、縁あらば会いたいものだと願っていたのである。
そして来て見ると、兼ねて期したる事とは言え、さてお正は既にいないので、大いに失望した上に、お正の身の上の不幸を箱根細工の店で聞かされたので、不快に堪えず、流れを泝って渓の奥まで一人で散歩して見たが少しも面白くない、気は塞ぐ一方であるから、宿に帰って、少し夕飯には時刻が早いが、酒を命じた。
大友は、「用があるなら呼ぶから。
爾来、四年、大友の恋の傷は癒え、恋人の姿は彼の心から消え去せて了ったけれども、お正には如何かして今一度、縁あらば会いたいものだと願っていたのである。
そして来て見ると、兼ねて期したる事とは言え、さてお正は既にいないので、大いに失望した上に、お正の身の上の不幸を箱根細工の店で聞かされたので、不快に堪えず、流れを泝って渓の奥まで一人で散歩して見たが少しも面白くない、気は塞ぐ一方であるから、宿に帰って、少し夕飯には時刻が早いが、酒を命じた。
大友は、「用があるなら呼ぶから。