雲飛は返事に困つて居ると老叟の曰く『拙者は故から此石とは馴染なので、この石の事なら詳細く知て居るのじや、抑も此石には九十二の竅がある、其中の巨な孔の中には五の堂宇がある、貴君は之れを知つて居らるゝか』
言はれて雲飛は仔細に孔中を見ると果して小さな堂宇があつて、粟粒ほどの大さで、一寸見た位では決して氣が附ぬほどのものである、又た孔竅の數を計算するとこれ亦た九十二ある。
そこで内心非常に驚いたけれど尚も石を老叟に渡すことは惜いので色々と言ひ爭ふた。
雲飛は返事に困つて居ると老叟の曰く『拙者は故から此石とは馴染なので、この石の事なら詳細く知て居るのじや、抑も此石には九十二の竅がある、其中の巨な孔の中には五の堂宇がある、貴君は之れを知つて居らるゝか』
言はれて雲飛は仔細に孔中を見ると果して小さな堂宇があつて、粟粒ほどの大さで、一寸見た位では決して氣が附ぬほどのものである、又た孔竅の數を計算するとこれ亦た九十二ある。
そこで内心非常に驚いたけれど尚も石を老叟に渡すことは惜いので色々と言ひ爭ふた。