ところが權官に某といふ無法者が居て、雲飛の石のことを聞き、是非に百兩で買ひたいものだと申込んだ。
何がさて萬金尚ほ易じと愛惜して居る石のことゆゑ、雲飛は一言のもとに之を謝絶して了つた。
某は心中深く立腹して、他の事にかこつけて雲飛を中傷し遂に捕へて獄に投じたそして人を以て竊に雲飛の妻に、實は石が慾いばかりといふ内意を傳へさした。
ところが權官に某といふ無法者が居て、雲飛の石のことを聞き、是非に百兩で買ひたいものだと申込んだ。
何がさて萬金尚ほ易じと愛惜して居る石のことゆゑ、雲飛は一言のもとに之を謝絶して了つた。
某は心中深く立腹して、他の事にかこつけて雲飛を中傷し遂に捕へて獄に投じたそして人を以て竊に雲飛の妻に、實は石が慾いばかりといふ内意を傳へさした。