小学校の教員はすべからく焼塩か何にかで三度のめしを食い、以て教場に於ては国家の干城たる軍人を崇拝すべく七歳より十三四歳までの児童に教訓せよと時代は命令しているのである。
唯々として自分はこの命令を奉じていた。
然し母と妹との節操を軍人閣下に献上し、更らに又、この十五円の中から五円三円と割いて、母と妹とが淫酒の料に捧げなければならぬかを思い、さすがお人好の自分も頗る当惑したのである。
小学校の教員はすべからく焼塩か何にかで三度のめしを食い、以て教場に於ては国家の干城たる軍人を崇拝すべく七歳より十三四歳までの児童に教訓せよと時代は命令しているのである。
唯々として自分はこの命令を奉じていた。
然し母と妹との節操を軍人閣下に献上し、更らに又、この十五円の中から五円三円と割いて、母と妹とが淫酒の料に捧げなければならぬかを思い、さすがお人好の自分も頗る当惑したのである。