次の八畳の間の間の襖は故意と一枚開けてあるが、豆洋燈の火はその入口までも達かず、中は真闇。
自分の寝ている六畳の間すら煤けた天井の影暗く被い、靄霧でもかかったように思われた。
妻のお政はすやすやと寝入り、その傍に二歳になる助がその顔を小枕に押着けて愛らしい手を母の腮の下に遠慮なく突込んでいる。
次の八畳の間の間の襖は故意と一枚開けてあるが、豆洋燈の火はその入口までも達かず、中は真闇。
自分の寝ている六畳の間すら煤けた天井の影暗く被い、靄霧でもかかったように思われた。
妻のお政はすやすやと寝入り、その傍に二歳になる助がその顔を小枕に押着けて愛らしい手を母の腮の下に遠慮なく突込んでいる。