彼は自ら求めて社会の外を歩みながらも、中心実に孤独の感に堪えなかつた。
若し夫れ天高く澄みて秋晴拭ふが如き日であつたならば余が鬱屈も大にくつろぎを得たらうけれど、雲は益々低く垂れ林は霧に包まれ何処を見ても、光一閃だもないので余は殆ど堪ゆべからざる憂愁に沈んだのである。
汽車の歌志内の炭山に分るゝ某停車場に着くや、車中の大半は其処で乗換へたので残るは余の外に二人あるのみ。
彼は自ら求めて社会の外を歩みながらも、中心実に孤独の感に堪えなかつた。
若し夫れ天高く澄みて秋晴拭ふが如き日であつたならば余が鬱屈も大にくつろぎを得たらうけれど、雲は益々低く垂れ林は霧に包まれ何処を見ても、光一閃だもないので余は殆ど堪ゆべからざる憂愁に沈んだのである。
汽車の歌志内の炭山に分るゝ某停車場に着くや、車中の大半は其処で乗換へたので残るは余の外に二人あるのみ。