北海道馬の驢馬に等しきが二頭、逞ましき若者が一人、六人の客を乗せて何処へともなく走り初めた、余は「何処へともなく」といふの心持が為たのである。
実に我が行先は何処で、自から問ふて自から答へることが出来なかつたのである。
三輛の馬車は相隔つる一町ばかり、余の馬車は殿に居たので前に進む馬車の一高一低、凸凹多き道を走つて行く様が能く見える。
北海道馬の驢馬に等しきが二頭、逞ましき若者が一人、六人の客を乗せて何処へともなく走り初めた、余は「何処へともなく」といふの心持が為たのである。
実に我が行先は何処で、自から問ふて自から答へることが出来なかつたのである。
三輛の馬車は相隔つる一町ばかり、余の馬車は殿に居たので前に進む馬車の一高一低、凸凹多き道を走つて行く様が能く見える。