斯く感ずると共に余の胸は大に開けて、札幌を出でてより歌志内に着くまで、雲と共に結ぼれ、雨と共にしほれて居た心は端なくも天の一方深碧にして窮りなきを望んだやうな気がして来た。
夜の十時頃散歩に出て見ると、雲の流急にして絶間々々には星が見える。
暗い町を辿つて人家を離れると、渓を隔てゝ屏風の如く黒く前面に横はる杣山の上に月現はれ、山を掠めて飛ぶ浮雲は折り/\其前面を拭ふて居る。
斯く感ずると共に余の胸は大に開けて、札幌を出でてより歌志内に着くまで、雲と共に結ぼれ、雨と共にしほれて居た心は端なくも天の一方深碧にして窮りなきを望んだやうな気がして来た。
夜の十時頃散歩に出て見ると、雲の流急にして絶間々々には星が見える。
暗い町を辿つて人家を離れると、渓を隔てゝ屏風の如く黒く前面に横はる杣山の上に月現はれ、山を掠めて飛ぶ浮雲は折り/\其前面を拭ふて居る。