余は進んで此長屋小路に入つた。
雨上の路はぬかるみ、水溜には火影うつる。
家は離れて見しよりも更に哀れな建てざまにて、新開地だけにたゞ軒先障子などの白木の夜目にも生々しく見ゆるばかり、床低く屋根低く、立てし障子は地より直に軒に至るかと思はれ、既に歪みて隙間よりは鉤ランプの笠など見ゆ。
余は進んで此長屋小路に入つた。
雨上の路はぬかるみ、水溜には火影うつる。
家は離れて見しよりも更に哀れな建てざまにて、新開地だけにたゞ軒先障子などの白木の夜目にも生々しく見ゆるばかり、床低く屋根低く、立てし障子は地より直に軒に至るかと思はれ、既に歪みて隙間よりは鉤ランプの笠など見ゆ。