山路は思ひしより楽にて、余は宿の子と様々の物語しつゝ身も心も軽く歩ゆんだ。
林は全く黄葉み、蔦紅葉は、真紅に染り、霧起る時は霞を隔て花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山燃るかと思はれた。
宿の子は空知川沿岸に於ける熊の話を為し、続いて彼が子供心に聞き集めたる熊物語の幾種かを熱心に語つた。
山路は思ひしより楽にて、余は宿の子と様々の物語しつゝ身も心も軽く歩ゆんだ。
林は全く黄葉み、蔦紅葉は、真紅に染り、霧起る時は霞を隔て花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山燃るかと思はれた。
宿の子は空知川沿岸に於ける熊の話を為し、続いて彼が子供心に聞き集めたる熊物語の幾種かを熱心に語つた。