「坊様、暗うございますよ」と言ったぎり、女とともに登ってしまったから僕もしかたなしにそのあとについて暗い、狭い、急な梯子段を登った。
なんぞ知らん、この家は青楼の一で、今女に導かれてはいった座敷は海に臨んだ一間、欄によれば港内はもちろん入り江の奥、野の末、さては西なる海の果てまでも見渡されるのである。
しかし座敷は六畳敷の、畳も古び、見るからしてあまり立派な室ではなかった。
「坊様、暗うございますよ」と言ったぎり、女とともに登ってしまったから僕もしかたなしにそのあとについて暗い、狭い、急な梯子段を登った。
なんぞ知らん、この家は青楼の一で、今女に導かれてはいった座敷は海に臨んだ一間、欄によれば港内はもちろん入り江の奥、野の末、さては西なる海の果てまでも見渡されるのである。
しかし座敷は六畳敷の、畳も古び、見るからしてあまり立派な室ではなかった。