けれども十分とは自分を待さなかった、彼の起あがるや病人の如く、何となく力なげであったが、起ったと思うと其儘くるりと後向になって、砂山の崕に面と向き、右の手で其麓を掘りはじめた。
取り出した物は大きな罎、彼は袂からハンケチを出して罎の砂を払い、更に小な洋盃様のものを出して、罎の栓を抜や、一盃一盃、三四杯続けさまに飲んだが、罎を静かに下に置き、手に杯を持たまゝ、昂然と頭をあげて大空を眺めて居た。
そして又一杯飲んだ。
けれども十分とは自分を待さなかった、彼の起あがるや病人の如く、何となく力なげであったが、起ったと思うと其儘くるりと後向になって、砂山の崕に面と向き、右の手で其麓を掘りはじめた。
取り出した物は大きな罎、彼は袂からハンケチを出して罎の砂を払い、更に小な洋盃様のものを出して、罎の栓を抜や、一盃一盃、三四杯続けさまに飲んだが、罎を静かに下に置き、手に杯を持たまゝ、昂然と頭をあげて大空を眺めて居た。
そして又一杯飲んだ。