自分は彼の差した杯を受け、少ずつ啜りながら彼の言う処を聞て居たが、聞くに連れて自分は彼を怪しむ念の益々高るを禁じ得なかった。
けれども決して彼の秘密に立入うとは思なかった。
「それで先刻僕が此処へ来て見ると、意外にも貴様が既に此場処を占領して居たのです、驚きましたね、怪しからん人もあるものだ僕の酒庫を犯し、僕の酒宴の莚を奪いながら平気で書籍を読んで居るなんてと、僕はそれで貴様を見つめながら此処を去らなかったのです。
自分は彼の差した杯を受け、少ずつ啜りながら彼の言う処を聞て居たが、聞くに連れて自分は彼を怪しむ念の益々高るを禁じ得なかった。
けれども決して彼の秘密に立入うとは思なかった。
「それで先刻僕が此処へ来て見ると、意外にも貴様が既に此場処を占領して居たのです、驚きましたね、怪しからん人もあるものだ僕の酒庫を犯し、僕の酒宴の莚を奪いながら平気で書籍を読んで居るなんてと、僕はそれで貴様を見つめながら此処を去らなかったのです。