家には事なかりき。
しばし母上と二郎が幸なき事ども語り合いしが母上、恋ほどはかなきものはあらじと顔そむけたもうをわれ、あらず女ほど頼み難きはなしと真顔にて言いかえしぬ。
こは世にありがちの押し問答なれどわれら母子の間にてかかる類の事の言葉にのぼりしは例なきことなりける。
家には事なかりき。
しばし母上と二郎が幸なき事ども語り合いしが母上、恋ほどはかなきものはあらじと顔そむけたもうをわれ、あらず女ほど頼み難きはなしと真顔にて言いかえしぬ。
こは世にありがちの押し問答なれどわれら母子の間にてかかる類の事の言葉にのぼりしは例なきことなりける。