われ、なんじの影地震の夜の間に消え失せぬと聞き、かの時の挙動など思い合わして大方は推しいたれどかく相見ては今さらのようにうれし。
かつて酒量少なく言葉少なかりし十蔵は海と空との世界に呼吸する一年余りにてよく飲みよく語り高く笑い拳もて卓をたたき鼻歌うたいつつ足尖もて拍子取る漢子と変わりぬ。
かれが貴嬢をば盗み去ってこの船に連れ来たらばやと叫びし時は二郎もわれも耳をふさぎぬ。
われ、なんじの影地震の夜の間に消え失せぬと聞き、かの時の挙動など思い合わして大方は推しいたれどかく相見ては今さらのようにうれし。
かつて酒量少なく言葉少なかりし十蔵は海と空との世界に呼吸する一年余りにてよく飲みよく語り高く笑い拳もて卓をたたき鼻歌うたいつつ足尖もて拍子取る漢子と変わりぬ。
かれが貴嬢をば盗み去ってこの船に連れ来たらばやと叫びし時は二郎もわれも耳をふさぎぬ。