二郎は欄に倚りわれは帆綱に腰かけしまま深き思いに沈みしばしは言葉なかりき。
なんじはまことに幸いなる報酬を得たりと思うや二郎、とわれは二郎の顔を仰ぎて問いぬ。
二郎は目を細くして月を仰ぎつ、うれしき報酬とは思わず、されどかの少女をふびんなりと想えば限りなき哀れを覚え、われに負きし挙動など忘れはて、ただ懐かしさに堪えず、げにふびんなるはかの少女なり。
二郎は欄に倚りわれは帆綱に腰かけしまま深き思いに沈みしばしは言葉なかりき。
なんじはまことに幸いなる報酬を得たりと思うや二郎、とわれは二郎の顔を仰ぎて問いぬ。
二郎は目を細くして月を仰ぎつ、うれしき報酬とは思わず、されどかの少女をふびんなりと想えば限りなき哀れを覚え、われに負きし挙動など忘れはて、ただ懐かしさに堪えず、げにふびんなるはかの少女なり。