何心なく受け取りてかれはしばし言葉なくながめ入りぬ、月の光は冷ややかに貴嬢が姿を照らせり。
そはなんじが叔母に託して昨年の夏の初め、品川出帆の朝、わがもとに送りたる品なり、今再びこれをなんじに還さん、なんじはなお手もとに置き難しと言うや、かく言いしわが言葉は短けれどその意は長し。
二郎はなお言葉なくながめ入りぬ。
何心なく受け取りてかれはしばし言葉なくながめ入りぬ、月の光は冷ややかに貴嬢が姿を照らせり。
そはなんじが叔母に託して昨年の夏の初め、品川出帆の朝、わがもとに送りたる品なり、今再びこれをなんじに還さん、なんじはなお手もとに置き難しと言うや、かく言いしわが言葉は短けれどその意は長し。
二郎はなお言葉なくながめ入りぬ。