すなわち上田豊吉である。
二十年ぶりの故郷の様子は随分変わっていた。
日本全国、どこの城下も町は新しく変わり、士族小路は古く変わるのが例であるが岩――もその通りで、町の方は新しい建物もでき、きらびやかな店もできて万、何となく今の世のさまにともなっているが、士族屋敷の方はその反対で、いたるところ、古い都の断礎のような者があって一種言うべからざる沈静の気がすみずみまで行き渡っている。
すなわち上田豊吉である。
二十年ぶりの故郷の様子は随分変わっていた。
日本全国、どこの城下も町は新しく変わり、士族小路は古く変わるのが例であるが岩――もその通りで、町の方は新しい建物もでき、きらびやかな店もできて万、何となく今の世のさまにともなっているが、士族屋敷の方はその反対で、いたるところ、古い都の断礎のような者があって一種言うべからざる沈静の気がすみずみまで行き渡っている。