やるところまでやると決心したからには、わき目もふれないなどしきりに思い続けて例の森まで行った。
どこを画こうかと撰んで見たが、森その物は無論画いたところで画としてはかえっておもしろくないから、何でも森を斜に取って西北の地平線から西へかけて低いところにもしゃもしゃと生えてる楢林あたりまでを写して見ることに決めた。
道は随分暑かッたが森へ来て少し休むと薄暗い奥の方から冷たい風が吹いて来ていい心持になった、青葉の影の透きとおるような光を仰いで身体を横に足を草の上に投げ出してじっと向こうを見ていると、何という静かな美しい、のびのびした景色だろう!