乙女の星はこれを見て早くも露の涙うかべ、年わかき君の心のけだかきことよと言い、さて何事か詩人の耳に口寄せて私語き、私語きおわれば恋人たち相顧みて打ちえみつ、詩人の優しき頬にかわるがわる接吻して、安けく眠りたまえと言い言い出で去りたり。
あくれば日曜日の朝、詩人は寝ざめの床に昨夜の夢を想い起こしぬ。
夢に天津乙女の額に紅の星戴けるが現われて、言葉なく打ち招くままに誘われて丘にのぼれば、乙女は寄りそいて私語くよう、君は恋を望みたもうか、はた自由を願いたもうかと問うに、自由の血は恋、恋の翼は自由なれば、われその一を欠く事を願わずと答う、乙女ほほえみつ、さればまず君に見するものありと遠く西の空を指し、よく眼定めて見たまえと言いすてていずこともなく消え失せたり。