かれは静かに身を起こし、しばらく流れをみつめてありしが、心はなお夢路をたどれるがごとく、まなざしは遠き物をながむるさまなり。
外套のポッケットに差し入れし手先に触るる物あるをかれは堅く握りて眼を閉じつ。
この時犬高くほえしかば、急ぎて路に出で口笛鋭く吹きつつ大股に歩みて野の方に向かい、おりおり空を仰ぎては眉をひそめぬ。
かれは静かに身を起こし、しばらく流れをみつめてありしが、心はなお夢路をたどれるがごとく、まなざしは遠き物をながむるさまなり。
外套のポッケットに差し入れし手先に触るる物あるをかれは堅く握りて眼を閉じつ。
この時犬高くほえしかば、急ぎて路に出で口笛鋭く吹きつつ大股に歩みて野の方に向かい、おりおり空を仰ぎては眉をひそめぬ。