こんな事を思いながらお源は洋燈を点火て、火鉢に炭を注ごうとして炭が一片もないのに気が着き、舌鼓をして古ぼけた薬鑵に手を触ってみたが湯は冷めていないので安心して「お湯の熱い中に早く帰って来れば可い。
然し今日もしか前借して来てくれないと今夜も明日も火なしだ。
火ぐらい木葉を拾って来ても間に合うが、明日食うお米が有りや仕ない」と今度は舌鼓の代に力のない嘆息を洩した。
こんな事を思いながらお源は洋燈を点火て、火鉢に炭を注ごうとして炭が一片もないのに気が着き、舌鼓をして古ぼけた薬鑵に手を触ってみたが湯は冷めていないので安心して「お湯の熱い中に早く帰って来れば可い。
然し今日もしか前借して来てくれないと今夜も明日も火なしだ。
火ぐらい木葉を拾って来ても間に合うが、明日食うお米が有りや仕ない」と今度は舌鼓の代に力のない嘆息を洩した。