女中部屋など従来入ったことも無かったのであるが、見ると高窓が二尺ばかり開け放しになってるので、何心なく其処から首をひょいと出すと、直ぐ眼下に隣のお源が居て、お源が我知らず見上た顔とぴたり出会った。
お源はサと顔を真赤にして狼狽きった声を漸と出して
「お宅ではこういう上等の炭をお使いなさるんですもの、堪りませんわね」と佐倉の切炭を手に持ていたが、それを手玉に取りだした。
女中部屋など従来入ったことも無かったのであるが、見ると高窓が二尺ばかり開け放しになってるので、何心なく其処から首をひょいと出すと、直ぐ眼下に隣のお源が居て、お源が我知らず見上た顔とぴたり出会った。
お源はサと顔を真赤にして狼狽きった声を漸と出して
「お宅ではこういう上等の炭をお使いなさるんですもの、堪りませんわね」と佐倉の切炭を手に持ていたが、それを手玉に取りだした。