縁辺に席を与えて、まず麦湯一杯、それから一曲を所望した。
自分は尺八のことにはまるで素人であるから、彼が吹くその曲の善し悪し、彼の技の巧拙はわからないけれども、心をこめて吹くその音色の脈々としてわれに迫る時、われ知らず凄動したのである。
泣かんか、泣くにはあまりに悲哀深し、吹く彼れはそもそもなんの感ずることなきか。
縁辺に席を与えて、まず麦湯一杯、それから一曲を所望した。
自分は尺八のことにはまるで素人であるから、彼が吹くその曲の善し悪し、彼の技の巧拙はわからないけれども、心をこめて吹くその音色の脈々としてわれに迫る時、われ知らず凄動したのである。
泣かんか、泣くにはあまりに悲哀深し、吹く彼れはそもそもなんの感ずることなきか。