それを母が励まして絶頂の茶屋に休んで峠餅とか言いまして茶屋の婆が一人ぎめの名物を喰わしてもらうのを楽しみに、また一呼吸の勇気を出しました。
峠を越して半ほどまで来ると、すぐ下に叔母の村里が見えます、春さきは狭い谷々に霞がたなびいて画のようでございました、村里が見えるともう到いた気でそこの路傍の石で一休みしまして、母は煙草を吸い、私は山の崖から落ちる清水を飲みました。
叔母の家は古い郷士で、そのころは大分家産が傾いていたそうですが、それでも私の目には大変金持のように見えたのでございます。
それを母が励まして絶頂の茶屋に休んで峠餅とか言いまして茶屋の婆が一人ぎめの名物を喰わしてもらうのを楽しみに、また一呼吸の勇気を出しました。
峠を越して半ほどまで来ると、すぐ下に叔母の村里が見えます、春さきは狭い谷々に霞がたなびいて画のようでございました、村里が見えるともう到いた気でそこの路傍の石で一休みしまして、母は煙草を吸い、私は山の崖から落ちる清水を飲みました。
叔母の家は古い郷士で、そのころは大分家産が傾いていたそうですが、それでも私の目には大変金持のように見えたのでございます。