と指の尖で私の頬を突いて先の剣幕にも似ず上気嫌なんです。
その晩はそれで帰りましたが、サアこの話がどうしても叔母に言い出されないのでございます。
それと申すのは叔母も私の母より女難の一件を聞いていますし、母の死ぬる前にも叔母に女難のことは繰り返して頼んでおいたのですから、私の口からお幸のことでも言い出そうものならどんなに驚きもし、心配もするかわからないのでございます、次の朝から三日の間、私は今言おうか、もう切り出そうかと叔母の部屋を出たり入ったりしましたが、とうとう言うことができなかったのでございます。