路地にはもう誰もいないのです。
路地から通りに出ますと、月が傾いてちょうど愛宕山の上にあるのでございます。
外はさすがに少しは風があるのでそこからぶらぶら歩いていますと、向うから一人の男が、何かぶつぶつ口小言を云いながらやって参ります、その様子が酔っぱらいらしいので私は道を避けていますとよろよろと私の前に来て顔を上げたのを見れば藤吉でございました。
路地にはもう誰もいないのです。
路地から通りに出ますと、月が傾いてちょうど愛宕山の上にあるのでございます。
外はさすがに少しは風があるのでそこからぶらぶら歩いていますと、向うから一人の男が、何かぶつぶつ口小言を云いながらやって参ります、その様子が酔っぱらいらしいので私は道を避けていますとよろよろと私の前に来て顔を上げたのを見れば藤吉でございました。