それから一月も経たぬうちに藤吉はまた親方に何か言われて、プンプン怒って帰って参りましたが、今度は少しも酔っていないのです。
お俊と別れて自分はしばらく横浜へ稼ぎに行くと言った様子はひどく覚悟をしたらしいので、私も浜へゆくことは強いて止めません、お俊と別れるには及ぶまい、しばらく私が預かるから半年も稼いだら帰って来てまた一しょになるがよかろうと申しますと、藤吉は涙を流してよろこびまして、万事よろしく頼むと家を畳んでお俊を私の宅に同居させ、横浜へ出かけてしまいました。
もうこうなれば澄ましたもので、お俊と私はすっかり夫婦気取りで暮していたのでございます。